HYDRATION水分補給について

働く人の熱中症対策

熱中症は死に至る事もあるとても怖い災害です。
しかし、適切な対策と発症した際の適切な処置で、重症化を防ぐ事ができます。
労働環境の改善と正しい知識で熱中症災害を減らしましょう。

熱中症とは?

熱中症とは、体温が上がり体内の水分と電解質のバランスが崩れたり、体温調整が働かなくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などの様々な症状が起こる状態の事です。

人間には、身体内部の温度を一定に維持しようとする仕組みがあります。これらの仕組みのうち最も強力に熱を放散させるものが発汗です。1リットルの汗がすべて蒸発すると10度も熱を下げることができます。(体重70キロの人)
しかし、体内の水分が不足している状態では汗をかくことができず、熱中症を起こしやすくなります。
汗を沢山かくためにも水分と電解質をしっかり補給し、蓄えることが大切です。

  • どのくらい飲めばいいの?
  • 水だけ飲んでもダメ?
  • スポーツドリンクと
    経口補水液の使い分けは?
  • 【どのくらい飲めばいいの?】

    暑熱負荷が大きいと1時間の発汗量は、1ℓを容易に超えることがあります。
    また、汗と共にナトリウムなどの電解質も1ℓ当たり約3g失われます。
    カラダが暑さになれていない労働者は、1日で15g~20gの電解質を発汗で失うこともあります。発汗で失った水分を補給することが理想的ですが、すべて補うことが難しい場合は、失った水分の半分以上を目安に摂取するようにしましょう。

  • 【水だけ飲んでもダメ?】

    汗にはナトリウムが含まれています。
    大量に汗をかいた時に、水だけ飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、これ以上ナトリウム濃度を下げないために水を飲む気持ちがなくなり、同時に余分な水分を尿として排泄します。
    この状態になると、汗をかく前の体液を回復できなくなり、体温が上昇し熱中症の原因になります。

  • 【スポーツドリンクと経口補水液の使い分けは?】

    経口補水液は、カラダが水分と電解質を沢山失っている状態を補うため、電解質が多く配合されています。スポーツドリンクより含有糖分が少ないのは、水と電解質の吸収を速めるためです。
    水分補給の効果は経口補水液が優れていますが、日常的に使用するには電解質量が多めです。
    カラダが沢山の水分を失う時は、経口補水液。日常使いには、スポーツドリンク。状況に併せて上手に使い分けましょう。

参考:
熱中症予防のためのリスクアセスメントマニュアル(中災防)
厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課
職場における熱中症予防対策マニュアル